「いのちの停車場」だけじゃない!異色の経歴を持つ南杏子の作品を紹介。

医療

現役の医師であり、作家でもある、南杏子さん。

「いのちの停車場」という作品が、吉永さゆりさん主演で映画化となり、2021年5月21日に公開を控えています。

「いのちの停車場」は、7組の患者の物語を通して、高齢化社会の日本でこれから増えていくであろう「終末医療」と「在宅医療」について描いています。まるで医療の現場にいるような臨場感(ハラハラしながら読める)と、飽きないストーリー性で一気に読んでしまえる作品。

今回は、「いのちの停留所」の著者・南杏子さんの異色な経歴について

それから、私が読んだことのある南杏子さんの作品TOP3を紹介したいと思います。

「いのちの停車場」の著者・南杏子さんのプロフィール

南杏子さんを紹介する上で欠かせないのが、彼女の異色な経歴。

元々編集者として出版社で働いていた南さんですが、夫の転勤で仕事を辞め、転勤先のイギリスに渡ります。

出産と子育てを経験し、日本に戻ってから乳幼児の病気を取材し記事を執筆した経験から、「医師になりたい」と決意。

33歳のときに東海大学の医学部に入学、大学生活と国家試験を経て医師になりました。

その後、大学病院勤務を経て、在宅医療の現場に関わるようになり、今は作家として医療の現場を描いた小説を書かれています。

 

すごすぎる‥。

子どもがまだまだ手が掛かる2歳のときに「医学部受けよう」と思い立って勉強するなんて、なかなか考えられないものですよね。

でも、やりたい!と思ったら、いつだって、幾つになったって挑戦できるんだって。同じ女性として、本当に元気をもらえます。

出典:南杏子wikipedia

南杏子さんの作品一覧

そんな南杏子さんですが、これまでに5冊の長編小説を出版しています。

ちなみにkindle unlimitedに登録すると、サイレント・ブレスディア・ペイシェントいのちの停車場の3作品を無料で(月額料金のみで)読むことができます!

とってもお得!

私が思う南杏子さん作品ランキングTOP3

南杏子さんの本との出会いは、kindle unlimitedでした。

なんとなく時間があった日、いつも通りkindle unlimitedを開いて、軽い小説でも読もうと思っていたところ、出会ったのがディア・ペイシェント

それからあっという間に3作品を読み終わり…。

どれも女医としての南杏子さんが経験したことから、筆をとっていると思うのですが、作品ごとに現場が全て違い、医者の分だけ、患者の分だけ、別の「生と死」の物語があって、考えさせられます。

TOP3:サイレントブレス

大学病院でプライベートを削って仕事のためだけにバリバリ働いてきたアラフォーの女性医師「水戸倫子」が、ある日突然、終末期の患者専門の訪問診療クリニック「むさし訪問クリニック」に派遣されるところから物語が始まります。

必要な設備は何でもある、大きな「大学病院」の現場から「終末医療の現場」、しかも「訪問診療クリニック」への異動は、紛れもない左遷。

はじめはそう考えていた倫子が、クリニックのスタッフや患者との出会いを経て、終末期医療の大切さに目覚める姿を、患者たちの物語と共に描いた作品。

どの患者とのエピソードも、ひとりひとりの人生の重みを感じられるストーリーがあり、胸が苦しくなったり、涙が出てきます。

長く生きて人生も終わりに差し掛かったころ、大学病院で「延命治療」だけを苦しみながらするのは正解なのか?どうやって命を終えるか、なんて30そこらの年齢で考えたこともなかったけれど、遠くない未来にありえないことでもないよな…と考えさせられました。

TOP2:いのちの停車場

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TOP2は、冒頭でも紹介したいのちの停車場

今回は、大学病院の救命病棟でお局医師(60代)であった白石咲和子が、とある些細なミスの責任をとって病院を辞め、地元・金沢で訪問医療の現場で働き始めるお話。

流れとしては、サイレント・ブレスにも少し似ていて、救命・延命の現場→終末医療の流れではあるのだけど

今回物語に登場する患者のなかには「高齢で一度は死の縁に立たされるも、元気になる人」や「末期癌の6歳少女」など、これまでの話には無かった人たちの人生も描かれているので、

サイレント・ブレスに比べると物語の幅が広いような気がします。あとは「金沢」に思い入れのある人だと、土地の名前や風景の描写が出てくるのですごく面白いかも。

でも最後はちょっと衝撃の終わり方。

映画は原作と比べてどんな感じになるのか、気になるところ。

5月21日公開なので、映画館がやっていれば初日にでも見に行きたいです。

TOP1:ディア・ペイシェント

ディア・ペイシェント。

ちょっとこの本は衝撃すぎて…。「患者様ファースト」で百貨店化した「病院」と「クレーマー患者」を描いた長編推理小説。

モンスター化したクレーマー患者、読んでるだけで気分悪くなりますが、最後にお医者さんが解説している通り、「ありえなくはない」話なんだそうです。

ネットが当たり前に普及した今では、患者も診察前にネットで情報収取し、医師を信じない。人手不足と、患者がどれだけ増えても断れない医療現場。3時間待ちと3分診療のワケ。

これまで「患者」側としてしか、医療の現場を見ることが無かったので、お医者さん・看護師さん・医療事務さんにとって、現場ってこんなに苦しいんだ…と申し訳ない気持ちに。

人間だもの。外科手術だって、失敗の可能性はゼロじゃない。だけど失敗したら、医療事故で訴えられて、個人で億の賠償を背負うことだってある。

リスクの割に、給与安いし激務すぎるけれど、それでも仕事を続ける理由は「人の命を救いたい」という使命感からきているという。

昨今のコロナ禍で、改めて医療の第一線で働く方々には頭が上がらない気持ちになりました。

「医療現場のリアル」のなかに、ドキドキハラハラするようなサスペンス(推理)要素があり、最初から最後まで本当に一気に読めます。とても面白い小説でした。

最後に

南杏子さんの作品を3つ通して読んでみて、「医療」に対しての見方が変わってきたような気がします。

本のなかで書かれている医療現場のリアルや、患者たちそれぞれのストーリーの魅力はもちろんですが、

物語の中でぽろっと患者や医師たちが口にする言葉がすごく深く、「なるほどな」と、自分がこれから生きていく上でも大事にしていくと思います。

「生まれた場所に戻って産卵した後に死ぬように、人間も遺伝子のどこかに帰巣センサーが残っているのかもしれない。故郷を思う自分の感情に自分自身で驚きながら、そんなふうに想像した。(出典:いのちの停車場。)」

「人間、食べ物を食べられなくなったら死ぬようにできている」

 

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