辺境ライター・作家の「高野秀行」をご存じですか?
「誰も行かないところへ行き、誰もやらないことをやり、それを面白おかしく書く」をモットーとしているちょっと変わった作家さんで、海外在住者や旅好きには定評があります。(私調べ)
今回このページでは、「高野秀行プロフィール」と「彼の好きなところ」「20冊読んだ私が紹介する高野秀行書籍BEST5」を紹介していこうと思います。
辺境作家・高野秀行とは?
高野秀行さんは、東京都八王子出身のノンフィクション作家であり、翻訳家。早稲田大学を8年で卒業する。元早稲田大学探検部で学生時代から日本と外国の辺境を行き来しまくったエピソードを本にしている。全34著作。
「誰も行かないところへ行き、誰もやらないことをやり、それを面白おかしく書く」をモットーとしている。
辺境作家・高野秀行のここが好き!
「未知」を恐れない。多様性を受け入れ、人の本質を見抜くひと
高野秀行作品のどこが好きかって、1番に思い浮かぶのは、いつも取材する現地とフラットで対等な関係であるというところ。
彼が旅をしてきた場所は「辺境」が多く、その環境はどうみても日本と比べると厳しく、辛く、心地悪く感じることもあると思う。だけど、その言葉からは「偏見」や「差別」的な態度は微塵も感じられない。
相手が何人であっても、どこにいても、目の前にいるひとを理解しようと努め、現地の言葉を学んで操り相手の言葉を引き出し、いつだって人の・物事の本質をみている。
「人の悪口を言わない」というわけじゃない。思ったことは口に出すのだけど、その口ぶりに「偏見」「差別」的な要素が少しも感じられないのがすごく気持ちいい。でも決して客観的に見ているわけでもなく、中にグイグイと現地に入り込んでいく。簡単なことじゃない。
それは、世界のどの国も、彼のフィルターで見てみたい、と思ってしまうほど。
損得考えない
自分の興味の惹かれるままに好きなことをしている人なので、あまり損得考えない人だと思う。
例えば、いわゆるメディアの人なのに「バズる」を全然意識してないのも面白い。めちゃくちゃ濃くてとんでもなく素晴らしい内容の本なのに、妙な長いタイトルからはあまり興味を惹かれない本もたくさんある(笑)。もったいないけど高野さんらしくてそれもまた好き。あんまり有名にならないでー(笑)!
これはいいタイトルだ、と思ったのは「恋するソマリア」くらいかな。それでも前作を読んでない人からしたら「なんのこっちゃ」だとは思う。
例えば2007年に出版された「怪魚ウモッカ格闘記 インドへの道」という本。ウモッカって何?なんなの?読んだけど。そしてこの本ばかりは終わりに近くにつれてガッカリしたけども(笑)。とりあえず高野ファンでないと絶対に手に取らないタイトル。
笑いのセンスがある
モットーに「面白おかしく書く」とある通り、高野さんの本には笑いのエッセンスがたくさん詰まってる。決して人を陥れるような笑いではないのだけど、くすっとするだけでは止まらず、声をあげて笑ってしまう箇所がしばしば。
半ばジャーナリストが書いたような壮絶な現地での体験を綴った本でも、高野さんの手にかかると面白おかしく読めてしまう。
辺境作家・高野秀行の作品を20冊読んだ私がオススメするベスト5
5位:「世にも奇妙なマラソン大会」
なんで運動の習慣が全くない酒飲みが、勢いでガチのガチなランナーが集まる「サハラマラソン」に応募してしまうのか。どうかしてるよこの人!と思いつつニヤニヤしちゃう。すき。「世にも奇妙なマラソン大会」は笑いの要素が1番多くてさらっと読めるのでおすすめ。
4位:「ビルマ・アヘン王国潜入記」
これはものすごいドキュメンタリー本。シンプルすぎるタイトルで絶対損してる。ビルマ(ミャンマー)は数多くの民族がからなる多民族国家なのですが、その中でも一際異彩を放っている「ワ族」という民族がいます。シャン州という中国との境に彼らは住んでいます。
かつては「アヘン(大麻)」を栽培し売買することで生計を立てていたのですが、この「ワ族」を取材するために、まさか外国人など1人もいない、言葉も通じない村で半年近くも、本当にアヘンを作りながら生活しながら現地の実態を綴った話です。日本語や英語はもちろん、中国語やタイ語だって通じないのに、片言で「ワ語」を覚えて住人と会話したり、
「ア(ワ語で乾杯の意味)ア」などと言いながら住人と酒盛りしてる高野さん凄すぎるよ…どんな民族の文化も尊重し、順応できる高野さん好き。いや「ア…ア…!」じゃないよ全く。
3位:「謎の独立国家ソマリランド そして海賊国家プントランドと戦国南部ソマリア」
この本が出た当時池袋の本屋でアルバイトしてたので貪るように立ち読みしていた。7年近い時を得て改めて読み返したらなんだこれ…「ビルマ・アヘン王国潜入記」をも上回るすんごいドキュメンタリー本。
アジアならまだ、似通った外観の彼らに親しみを覚えることもあるだろうに、今回の舞台はなんと「ソマリア」だよ…。ソマリアが3つの国に分裂されていて、無政府状態だなんて知らなかった…(まずソマリアってどこ?)普段メディアで流れている「世界」が、いかに虚構であるかを証明してくれている。すき。
ソマリ語も操る高野さん。現地に長く滞在しすぎてまた「現地化」しちゃう。海外から金を送ってもらい(奥さんのお姉さんに)毎日カート漬けで便秘で尻から血を出してヒーヒー言ってる高野さんすき。自分の夫だったらぶん殴っているだろうと思う。好き。
2位:「恋するソマリア」
3位で紹介した「謎の国ソマリランド」から「現地の人との繋がり」「現地の生活や文化」にフォーカスした続編が「恋するソマリア」
ジャーナリズム的な内容も面白いけどやっぱり、旅先で出会った人とのストーリーのほうがわくわくして好きなのでこちらを2位に。
「恋するソマリア」表紙にもなってますが、私もハムディに恋した読者のひとり。
ハムディって誰?この表紙の美女は何者?って気になった方はぜひ本書をお読みくださいな。
1位:「ワセダ三畳青春記」
むり…どの本も好きすぎて、5冊なんて選べない…と思いつつ頑張って5冊選んでみました。
5冊選んだうちの、おすすめ度ナンバーワンの本はやっぱり、「ワセダ三畳青春記」
学生時代から辺境ライターを続けてきた高野さんの人生と生活をこの本を通して覗くことができる。だから他の作品を読んでも登場人物に馴染みがあって、まるでこの本の「続き」かのように面白く読める。(あの探検部の後輩がカメラマンとして同行してるのか〜みたいな)
後々「そうか。この作品はあの頃に書かれたものだな」と想像できて楽しい。
読み進めていくといつの間にか母性本能が溢れ出てきてしまいます(笑)。20歳以上も年上のおじさんなのにねぇ…
まとめ
高野秀行さん大好き。いつか一緒にお酒を飲める日を夢みています。
「アジア新聞屋台村」という本にも書かれているのだけど(今回ランキング5には入ってない)、台湾人女性経営者の元で5年も働かれていたそうなので、そんなお話もしたいし中華圏のこと、アジアのこと、一緒にお話してみたい。という願望。サイン会とかあったら行ってみたい。
まだまだ読んでいない本も残っているので(例によってタイトル的に惹かれなくて後回しにしているのだけど、読んだらすんごい面白いかも)
またランキングが変わったり、「ランキング外だけど超おすすめの本」として紹介するかも。
海外旅行が好きな人、世界一周してみたい人、面白おかしいエッセイ本が好きな人に、おすすめしたい。
それでは、また〜。
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