二酸化炭素温暖化説の崩壊(広瀬隆)を読み終えた感想と考察

サステナブル

最近「環境問題」に関心があるフェーズが自分のなかで来ていまして、(そんな日が来ようとは過去の私からは想像もしていなかった…!)いくつか本を借りてきました。

広瀬隆さんの書いた「二酸化炭素温暖化説の崩壊」という本を読みましたので、特に気になった箇所をメモしたり、考察などしたいと思います。

二酸化炭素温暖化説の崩壊(広瀬隆)

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著者の怒りエネルギーが爆発してる本

とにかく著者は怒ってる!

名ばかりの「環境保護」と「エコっておしゃれ〜」「サステナブル〜」な社会と嘘だらけの消費者に。都会で何不自由ない暮らし、電気や綺麗な水を思う存分に使ってオフィスで仕事をしながら、何が環境保護だ!と。

いや本当にその通りでぐうの音もでないし、都会で何不自由ない暮らししながら環境保護に興味持ち始めたとか言ってすみませんでしたーと謝りたくなる。

そしてIPCC(気候変動に関する政府間パネル機関)などに真っ向から刃向かい、データは偽造だ!などと言っている。

そうか…二酸化炭素による地球温暖化などは嘘なのか…と思ってしまいそうになるのだが、著者は早稲田大学を卒業して、原発問題や環境問題、日本の歴史など様々な面で日本政府を否定する著書を書いてきたいち作家にすぎない、ということをまずは認識しないといけない。

でさ、本当に嘘なら最近真鍋さんが受賞したノーベル物理学賞は何?

それも人が作った賞といえば確かにそうだが、この本を読んでいると何が嘘で何が本当か益々分からなくなってしまう。でも、嘘を書いているようには思えないのだ。

温暖化の理由はヒートアイランド現象

著者の言い分は一環して、「都市部の温暖化の理由は二酸化炭素ではなくヒートアイランド現象だ」と語る。それを裏付けるデータはたくさんあるのだけど、ここに全て書き出すのは大変なのでソースが気になる人は本書を読んでいただくとして、「たしかに」と思ってしまいかねない。

というか多分本当にそうなんだと思う。

NASAの人工衛星がとらえた地球全土の夜間の写真、今はグーグルアースなど見ればすぐに見ることができるが、真夜中にもかかわらず日本列島は東京を中心にこうごうとしていて、夜中でもものすごい量の電気を使っている事が見て取れる。真っ暗な北朝鮮などと比べると違いがわかりやすい(それをいうなら朝鮮半島の北と南の差をみたほうがわかりやすいけど)。

google earth

「CO2温暖化」とは、ビニールハウスと同じ温室効果であるから、地球全体の気温上昇を指すもので、それに対して「ヒートアイランド」とは、ストーブの前にいると暑いのと同じような、狭い地域の過熱を指すのである。

氷が溶けて水面が上昇するカラクリ

コップの水に氷を入れて溶けるのを待ったとしたら、もちろん水位は氷がとけたぶん上昇する。

これが地球温暖化による北極や南極の水位上昇と繋げて描かれることが多々あるが、これはナンセンスだと。

確かに最初の水位を、水だけしか入っていない状態にして、氷を入れて溶けるのをまったら水位は上昇する。だけど、元々水に氷が埋まっている状態の水位と、その氷が溶け出したときの水位を比べると、実は変わらない。こんな簡単なことに誰も気づかない、と著者は言う。

なので北極や南極の水位が上昇する心配はないけど、温暖化による水位が上昇する可能性があるとしたら、陸の上にある山などにある氷山が、海に流れ落ちたときだ、と。

これは…完全に正論。

海面温度を上昇させる減少は原発

原発周辺に住む漁師の斎藤さんの証言。

「僕は1978年から今日まで30年以上、風の日も吹雪の日も、岩内の海水温度を測り続けてきたのです。僕のいる岩内町の目の前に、1989年に泊原発が運転を開始し、それから海水温度がぐんぐん上がり始めたわけです。」

著者はこういう人こそ科学者であり、机上の空論でデータが云々ああだこうだ言っている人たちは、地球を愛しているという資格なんてない!と憤慨している。

なぜ「原発があると海水温度が上昇するか」は、1970年台にOECD(経済協力開発機構)のレポートに書かれている。

「原発の温排水は、海に排出されても、熱が海の中にすぐに拡散しないで、ホットスポットと呼ばれる熱の塊となって浮遊する。そのため、大陸棚の生物が甚大な影響を受ける。浅瀬にいる魚の卵や稚魚は、2〜3°というわずかな温度変化で死んでしまうからである」

先進国が発展途上国に原発を輸出するという最悪のシナリオ

ここまで読んで、著者に同感し、私自身とても強い怒りを感じた。

先進国の原子力産業(メーカー)だが、自分の国内ではほとんど需要がなく、日本同様、猛烈な反対にあうため、原子炉を発展途上国に輸出して何とか延命を図ろうとしている。しかしそれは、メーカーがその製造技術を維持するために、廃炉の穴埋めにわずかな原発を建設しなければならない、というにすぎない。彼らは、これら放射能の危険性をまったく知らない発展途上国に対して原発を輸出したあと、その原子炉が生み出す高レベル放射性廃棄物という巨大な超危険物をどのように処分させるつもりなのか。これは100万年の監視を必要とするのだ。自国でさえどこにも処分できずに絶望的な壁にぶちあたっているといのに、アジアや中東のまったく事情を知らない人間に対して、一体どのような責任を持てるのか

地球に優しい商品開発なんてありえるのか?

ヤシの実洗剤と化学洗剤とどちらが自然界にとって好ましいか。ヤシの実洗剤は、ヤシ油とパーム核油を減量にした植物性洗剤なので、自然界に放流されても科学洗剤と違って分解されやすく、下水道や河川の汚染を起こしにくい。そのためパーム油は、生産量が40年間で20倍以上に急増し、2005年に大豆油を抜いて植物油の第一位になり、2008年には世界で約4,200万トンが生産された。環境保護にとって、大変いいことだと思うに違いない。だが、しかし、である。

ヤシの実洗剤のパーム油のアブラヤシは、主に赤道に近い熱帯雨林地方で栽培され、マレーシアとインドネシアが、世界の生産量の87%を占めている。マレーシアやインドネシアの熱帯雨林が、このアブラヤシのプランテーションのためにつぎつぎと伐採され、急速に縮小しているのだ。

植物性洗剤のために熱帯雨林が消えれば、どうなるか考えてみなければいけないだろう。

熱帯雨林でしかとれないアブラヤシは、全世界の消費者にとっては持続可能な商品ではなく、そこに住む人たちだけが今までどおり生活に取り入れていくべき商品だったのかもしれない。

じゃあ、自分が住む場所で「おばあちゃんの知恵」のように、昔から使われたきたものは何だろう…?

最大の自然破壊は戦争

アメリカのアフガン攻撃・イラク攻撃のように理不尽な人殺しと自然破壊を放任してきた人類に、自然保護を語る資格など微塵もない。

いち消費者の私たちができることも

東京都心のビルに入ると、吹の毛の巨大な建物が冷暖房されているのを見て、建築家の墜落はここまで来たかと愕然とする。手を洗う場所には、乾燥ドライヤーがある。なぜハンカチを使わないのだ。どこを見ても、無駄の塊だ。

最後に

これを一冊目の本に選んでしまったので、何が真実で嘘なのか、わからなくなってしまったのですが、著者の怒り、地球温暖化の原因は、本当はもの不足ではなく心の問題であるにもかかわらず、より豊かな生活を求めようとする私たち人間にあるのだということは十分にわかりました。

この本を読んだあと具体的に自分になにができるのか、「ハンカチを使う」と「地域のお年寄りの生活を通して自分にとってのヤシの実洗剤のような生活に使えるモノを探してみる」くらいしか思い当たらなかったけど、

ほかにも何冊か同様の本を読んで、理解を深めてみようと思います。

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それでは、また〜。

 

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